2010年8月27日金曜日

闇稽古ということ(その2)

 闇稽古ということ(その1) からのつづき


当日は雲が空全体に拡がり、月が見えなかった。
すでに暗いと感じていたが、稽古を始めていくうちに、
空がさらに濃さを増していった。
闇というのが変化することを実感した。

稽古してまもなく比較的涼しい日だったにも関わらず、
背中に冷や汗みたいなものが流れるのを感じる。
稽古を続けていったがしばらくして、この冷や汗は恐怖感が原因だと思った。

闇に向かって、移動しながら素振りを繰り返していく。
どこからか聞こえる「音」に身体が反応しているのだ。

冒頭に説明したように、この場所は河川敷にある雑木林。
雑草が生い茂っているような場所。
今まで陽のある時にも、みたことある動物はネコ、野犬(3匹ほど)、タヌキ。
昆虫の類は、バッタやスズメバチ、トンボ、カエルなどなど、カナヘビも見た。

そんな場所にいる生き物の声がするのだが
びびっているのは、虫の声・・・そして自分が踏みしめた雑草が復帰する音。
風に擦れあう樹木の葉、笹、雑草。
ありとあらゆる 音 に恐怖心を向けている自分がいた。

本当に何が出てくるのか、人間の想像力の逞しさを思った。
以前、読んだ本に
怖いのは人間の想像力だ、という文章があったように記憶しているが、実感した。

・・・続く